歯の根を残す治療

他院で抜くと言われた、その歯髄!
もしかしたら残せる?
当クリニックの歯髄保存治療では、MTAセメントを使い治療を行っております。
神経(歯髄)が残せるのかどうかの診断は、マイクロスクープを使用し、露出した神経(歯髄)が出血し止血できるのかで判断をしています。
これを肉眼治療で行うと、暗い上に小さすぎて確認できないために、抜歯、もしくは神経を抜く治療となってしまいます。
そして、何よりも大切なことが、
治療中に患部を感染させないことです。
当クリニックでは、唾液を患部に入り込ませないために、ラバーダム防湿を行っております。ラバーダム防湿も単にするのではなくマイクロスクープでクランプしている部分を確認し、唾液が入ってくる隙間や漏れが無いのかを確認し、確実な防湿を行っています。
歯の根(歯髄)が残せる治療とは

虫歯治療を行っていると、虫歯の浸食具合によって、虫歯が神経(歯髄)まで達していることがあります。
当クリニックでは、マイクロスコープ下でう蝕検知液を使いながら虫歯を丁寧に削っていき、神経(歯髄)が見えてきたら、まずは消毒剤を使い止血を試みます。
止血が出来た神経(歯髄)は残せる可能性があると診断し、神経を残す歯髄保存治療を開始いたします。
治療の様子を動画で解説
歯の神経を残す治療
実際の治療動画を解説しています。
歯の神経を残すために行うことや当院のこだわりをご紹介

何故、歯の根(歯髄)を残すのか
歯髄とは、歯の内側にある神経・血管・リンパ管が集まった非常に大切な組織です。
この歯髄には、私たちが健康な生活を送る上で欠かせない3つの重要な役割があります。
- 01痛みや温度を感知する「センサー」の役割
- 歯髄内の神経は、外部からの刺激を感知し、それを脳へと伝える役割を果たしています。
例えば…
「冷たいものを食べたときの”キーンとした感覚”」「熱い飲み物を飲んだときの違和感」「噛んだときの「ズキッ」とした痛み」これらの反応は、歯髄が生きている証拠です。ただし、単に「痛い=悪い神経」ではありません。むしろこの痛みこそが、虫歯や亀裂といったトラブルに早く気づくきっかけになり、歯を早期に守るための重要なサインとなるのです。
神経を抜いてしまえば、痛みはなくなるかもしれませんが、「異常を知らせる機能」も同時に失われてしまいます。 - 02歯の防御機能を担う「免疫」の役割
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歯髄には、体内の他の臓器と同じように、免疫細胞が存在しています。この免疫細胞たちは、歯の内部に細菌が侵入しようとしたとき、炎症を起こして細菌と戦うという大切な働きをします。
むし歯が深く進行しても、神経が生きていれば細菌の侵入を食い止めようとします。小さな炎症なら自己修復機能によって、歯を自然に回復させることもあります。神経を取ってしまえば、こうした生体防御機構は完全に失われ、歯の内部は無防備な空洞になります。
その結果、再感染しやすくなり、最終的には歯の根の先に膿が溜まる「根尖病変」に発展するリスクも高まります。 - 03歯に栄養と水分を届ける「生命線」としての役割
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歯髄には血管が通っており、歯の象牙質へ酸素・水分・栄養素を供給しています。これにより、象牙質は硬さとしなやかさを保ち、強い咬合力にも耐えうる丈夫な歯が保たれているのです。神経を取ってしまった歯(=失活歯)は、時間とともに水分を失っていきます。
そうすることで、乾燥し、内部から脆くなるため、歯が割れやすくなり、抜歯のリスクが高まります。
歯髄は「抜くもの」ではなく「守るべきもの」
つまり、歯髄は単なる「神経」ではありません。生きている歯を健康なまま機能させるための、極めて重要な存在なのです。「神経を抜くしかない」と言われても、本当にその神経を抜く必要があるのか?
当クリニックでは、マイクロスコープによる精密診断を行い、可能な限り歯髄を残す治療を第一に考えています。
歯髄保存治療の流れ
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STEP 01
麻酔
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STEP 02
ラバーダム防湿をする
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STEP 03
元々入っていた物や
虫歯を確実に取り除く -
STEP 04
歯髄(神経)が見えて来て
出血している場合は、消毒剤に浸ける。 -
STEP 05
5分待ち
止血できるのかを確認 -
STEP 06
止血できている場合は
MTAセメントを使い
歯髄保存治療をします -
STEP 07
しみるのを抑える為の
コーティングをする -
STEP 08
ダイレクトボンディング剤で
歯を形成していきます。
※削りが大きい場合は仮歯を作ります -
STEP 09
治療を動画で説明
よくある質問
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歯の神経は、できる限り残しておくべきでしょうか?
はい、一般的に歯の神経(歯髄)は、可能な限り残しておくことが望ましいと考えられています。歯髄は、歯に栄養を供給し、外部からの刺激を感知する重要な役割を担っています。歯髄を失うと、歯はもろくなり、抜歯リスクが高まります。そのため、歯髄が健康な状態であれば、できるだけ保存する治療法が選択されます。
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痛みはいつまで続く可能性がありますか?
治療後の痛みは、通常数日から1週間程度で落ち着くことが多いですが、歯髄の状態や炎症の程度によっては、もう少し長く続く可能性もございます。もし1週間以上痛みが続く場合や、症状が悪化するような場合は、自己判断せずに歯科医師にご相談ください。適切な検査を行い、原因に応じた対応をさせていただきます。
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治療後は歯がしみたり痛みが出たりすることはありますか?
歯髄保存治療のあと、一時的に「しみる」「軽い痛みがある」などの症状が出ることはあります。治療では、歯の神経のごく近く、あるいは一部露出している部分まで虫歯を取り除いていきますので、治療直後は歯髄が一時的に敏感になっている状態です。
こういった症状は、多くの場合、数日~1~2週間ほどで徐々に落ち着いてきます。これは、神経が炎症を抑えながら回復している“正常な反応”であり、必ずしも治療の失敗ではありません。
