歯の根の治療で痛みが抜けない?考えられる6つの原因と対処法
「根の治療(根管治療)を受けているのに痛みが抜けない」「何度も通っているのに違和感がある」
そんな不安を抱えている方はいませんか?
歯の根の治療は非常に繊細な処置で、いくつかの要因が重なることで痛みが長引くことがあります。
この記事では、痛みがなかなか引かない6つの主な原因とその対処について、わかりやすくご紹介します。
1. 仮詰めが甘いと、再感染することがあります
根の治療は何回かに分けて行うため、治療の合間には「仮詰め」と呼ばれる仮の蓋をします。
この仮詰めに隙間があると、唾液の中の細菌が根の中に入り込み、せっかく綺麗にしたはずの根管が再感染してしまいます。
仮詰めは「ただの一時的な処置」ではなく、非常に重要な工程です。
しっかり密閉するために、当院ではコンポジットレジンという樹脂を使って根管の開口部を接着・封鎖しています。噛んでも壊れにくく、食事の際にも安心です。
2. 根管の形を把握できていない
根の形は人それぞれで、非常に複雑な構造をしています。とくに扁平(細長い楕円形)の根管は、従来の器具だけでは完全に清掃できず、感染の取り残しが生じることがあります。
当院では、治療前にCT撮影を行い、3次元的に根の形を把握したうえで治療に入ります。
さらに、顕微鏡を使って暗く細い根の中を明るく拡大し、肉眼では見逃してしまうような感染部位まで丁寧に処置します。
3. 消毒薬や薬剤の漏出による炎症
根管治療では、強い殺菌効果をもつ「次亜塩素酸ナトリウム」を使いますが、これは誤って根の外に漏れてしまうと、神経や血管、骨などを刺激して痛みや違和感の原因になります。
また、根の中に入れる充填剤が根の先からはみ出すことでも炎症を引き起こすことがあります。
このような事故を防ぐためにも、事前のCT診断と顕微鏡による正確な処置が欠かせません。
4. 噛み合わせ(咬合)の不調和
根の治療中に仮歯や仮詰めが高すぎると、その歯に過剰な力がかかって痛みの原因になります。
かといって、噛み合わせを完全に削ってしまうと、数週間〜数ヶ月の治療期間中に歯が動いてしまい、最終的な被せ物(クラウン)の噛み合わせが合わなくなる恐れがあります。
重要なのは「ちょうどよい高さの仮歯」を入れることです。
きちんと調整された仮歯であれば、痛みもなく快適に過ごせます。
5. 歯のヒビ(破折)が原因のことも
顕微鏡を使った根管治療中に、歯の内部にヒビ(クラック)が見つかることがあります。
このヒビから細菌が入り込むと、いくら治療をしても感染が取り切れず、痛みが続いてしまいます。
特に、歯の表面にあるヒビは顕微鏡でも見つけにくく、外科的な処置(歯根端切除など)が必要になることもあります。
ヒビが深刻な場合は、残念ながら抜歯が必要となることもあります。
6. 治療前の炎症が強かった場合
根の中の感染が取れても、根の周囲に強い炎症が残っていると、痛みが数日間続くことがあります。
とくに治療前から腫れや激しい痛みがあったケースでは、骨まで炎症が広がっていることもあり、完全に炎症が収束するまで少し時間がかかることがあります。
ただし、適切な治療が行われていれば、通常は2〜3日〜1週間ほどで症状はおさまってきます。
痛みが続くときは、根本から見直す必要があります
根の治療で痛みが抜けない場合、仮詰め・形態把握・薬剤の管理・噛み合わせ・歯のヒビなど、さまざまな要素が複雑に関係しています。
何度も通院しているのに症状が改善しない場合は、治療の方法や精度を見直す必要があるかもしれません。
当院では、CTと顕微鏡を活用した精密な根管治療を行っています。
「ずっと痛い」「何度も治療しているのに改善しない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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