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コラム

神経治療後に歯が痛い要因(根の治療を繰り返さないためには?)

一度、神経の治療した歯に痛みが出たり、膿が出たり、レントゲンで根の先の骨が溶けているのが確認できた場合に再治療が必要になります。根の治療はとても難しいと言われています。2011年歯内療法学会誌に須田元教授が発表された論文によると、日本での再根管治療の成功率は概ね30〜50%、ここでは成功率が低い原因の一つにラバーダム防湿がされていない事があげられています。

ラバーダムはどれぐらい使われているのか?

根管治療の場合、日本ではどれぐらいラバーダムが使用されているか、吉川ら:根管処置におけるラバーダム使用の現状.日歯内療法誌,24:83-86,2003.によると使用率は5.4%。なんと殆どの歯科医院では使用していないようです。歯内療法学会とは神経の治療を専門的に治療しようという歯科医があつまった学会です。
この学会の会員でも必ず使用している歯科医は25%に過ぎません。一方、アメリカでの使用率は歯内療法の専門医では90%以上、一般的な歯科医院でも76%使用しているとのデータがあります。whitten BH et al : Current trend in endodontic treatment : report of a national surgery. J Am Dent Assoc,127:133-1341,1996

なぜ一度治療した歯が再度問題を起こすのか?

根の中、根の先の膿は口の中にいる細菌が歯の内部に入り込み、感染する事でおこります。この感染をコントロール出来れば、治療後、長期的に問題がなく快適に過ごして頂くことが可能になります。 これには多くの注意、処置が必要になりますが、ここではまずラバーダムにフォーカスを絞ってお話します。根の治療中、髄腔内(削ってある歯の真ん中の神経が入っていた穴)に唾液が入らないように気をつけていても必ず唾液が浸入します。唾液の中に細菌がいるので、せっかく綺麗にしている根管内に再度細菌が侵入します。唾液が入らないようにロールワッテ(円柱の丸く固めた綿)を頬側、舌側においていても唾液が染み込み侵入してしまいます。これを完全に防ぐために必要な器材がラバーダムです。ラバーダムは薄いゴムのシートに歯より小さい穴をあけ、その穴から治療する歯だけを出します。ゴムが歯の根元にフィットしていれば、唾液は浸入して来ません。しかし、ラバーダムをしてもきっちりシールされていないと、本来の目的である『感染をさせない』が出来ません。

ラバーダム防湿がきっちり出来ているか?

このラバーダムがきっちり出来ているかの判断をどうするかですが、当クリニックではラバーダム後に治療する歯の消毒をします。これはラバーダムから出している歯も寸前まで唾液にふれていたので細菌がいます。これを消毒するためにイソジンとアルコールを使いますが、ラバーダムに少しでも隙間があるとイソジンが隙間から漏れ出ていくのが分かります。 また、患者様自身でも治療中、削る器具から出る水がお口の中に入っていったり、使っているお薬の味がするようでは隙間がある可能性が高いと判断する事も出来ます。根管治療の成功率を限りなく100%に近づけるためには、ラバーダム防湿方以外にも大切な事がいくつかあります。次回へつづく
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