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コラム

根の治療を繰り返さないためには? 治療開始〜治療初期

初回のラバーダム防湿の重要性に続き、第2回は被せてあるものをはずし、治療中に唾液を侵入させない土台と仮歯を作りのお話をしました。

歯科医でも根の治療というと神経が入っていた空洞(根管)の話ばかりになりますが、そこに至るまでの処置が痛みや違和感、長期的な予後に大きく関与しています。

根管治療の開始

しっかりした土台の上に仮歯が確実に合着しています。 ラバーダムを止めるための金具(クランプ)は歯の大きさや形によって50種類以上用意があります。 この形が歯にぴったり合っていないと唾液が漏れる要因になります。 次にラバーダムに歯の大きさより小さめの穴を適切な位置に開けます。穴が大きすぎれば隙間が開く原因になります。 ラバーダムはラテックスというゴム素材になりますが、近年ラテックスアレルギーの方もいらっしゃるので、当クリニックではアレルギーの無い方にもノンラテックスのラバーダムシートを使っています。 この後ラバーダム防湿をしますが、詳しいお話は初回にしていますので、下記の動画をご覧ください。 漏れの無いラバーダムが出来たら、歯の消毒をして、いよいよ治療の開始です。

感染は確実に取り除き、健全な歯は削らない

ラバーダムから治療する歯だけが出ています。 仮歯ごと削ると、仮歯の下から土台にした樹脂が見えてきます。更にけずっていくと根管口(根の入り口)に通常オレンジ色のゴムが詰められている事が確認できます。 根管(根の中)には多くの場合、ガッタパーチャと呼ばれる天然ゴム様素材に酸化亜鉛を練りこんだ棒にセメントをつけて入っています。 感染があるとこのガッタパーチャ自体が感染物になっているので完全に除去しなければなりません。

どのように感染をとるの?

一般的な治療ではリーマーやファイルと呼ばれる手で操作する器具かロータリーファイルと呼ばれる器械で回しながら操作するものを使って削りとります。この際、根管は丸いとは限りません、歯の種類にもよりますが下の奥歯の場合は扁平な形をしている事の方が多いのが統計的に分かっています。上記の器具はどちらも丸いドリル形状なので根管の形状と合わないとガッタパーチャや感染している歯を削れず残ってしまいます。また、削らなくて良い感染していない歯を余計に削ってしまう心配もあります。では、どのように取るのがいいのでしょうか? 根の先端が細くなっている所や曲がって見えない根の先は上記のファイルやロータリーファイルを使う事がありますが、使用頻度ていえば1〜10%ぐらいです。当クリニックでは超音波ファイルを使い振動によりガッタパーチャや感染した歯を削ります。顕微鏡で20倍に拡大して光を入れて見ながら削る事で感染物質や感染した歯だけを削り健康な歯を極力けずらないように除去します。歯が薄くなれば根が割れてしまう可能性が高くなるので治療した歯を長く使うには歯の強度がとても重要になってきます。
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