コラム
歯周病とタンパク質、AGEs
前回は歯周病予防、治療にビタミンCが重要とお話しました。 今回はタンパク質の重要性についてお話します。 タンパク質は英語でProtein(プロテイン)ですが語源はギリシャ語のProteiosからきています。Proteiosは最も重要なものという意味で、まさに身体にとって最も重要なものはタンパク質ということになります。
タンパク質の摂取量は足りているのでしょうか? 50歳男性の摂取量は1995年と比べ2013年ではおよそ23%も減少しています。
タンパク質は肉や魚に多く含まれていますが、100gの肉には20gのタンパク質が含まれています。
タンパク質の摂取量
- 運動量少ない人1.0g/体重1kg
- 運動量中程度の人1.3g/体重1kg
- 運動量強度の人1.6g/体重1kg
体重60kgの中程度の運動の人では 60✕1.3=78gになります。
お肉に換算すると約400gを毎日食べることになります。 タンパク質は分解されペプチドという形になり、更に分解されるとアミノ酸になります。 アミノ酸といえば女性は知らない人はいないと思いますが「お肌プルプルの素」コラーゲンの原材料です。
その他、タンパク質は筋肉や組織の材料、歯や歯茎の材料、酵素・ホルモン・血液の材料にもなります。さらに免疫細胞や抗体の材料になることなども論文で明らかになっています。 タンパク質不足でT細胞が減少し免疫が低下することで入院患者の死亡率が増加したとの報告もあります。 歯周病は細菌感染と言われていますので予防、治療にはこの免疫力が大きく関与してきます。
皮膚や粘膜の老化はAGEsの蓄積と深い関係
AGEsとは終末糖化産物と言い、過剰に摂取した糖がタンパク質と結合し元に戻ることが出来ない最終的な生成物です。
このAGEsが高くなり皮膚コラーゲンを糖化させる要因は
- 砂糖、ぶどう糖果糖液糖の過剰摂取
- 悪い油の摂取、トランス脂肪酸やオメガ6系の油の摂取が多い場合や、揚げ油から出る2次生成物質ヒドロキシノネナールはAGEsを上昇させる
- アルコール摂取でアセトアルデヒドからAGEsが生成される
- タバコの煙は有毒なAGEsを作る
以上のことより上質なタンパク質を必要量摂ることと、AGEsを出来るだけ作らないような食生活をすることが歯周病予防と治療には必須です。