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コラム

認知症・歯周病とMCV平均赤血球容積と

平均赤血球容積MCVとは

MCV平均赤血球容積、聞き慣れない言葉かも知れませんが、血液検査の項目の一つです。文字通り赤血球の容積(大きさ)をみる検査になります。

一般的な正常値は83-102ですが、
分子栄養学的には90-93と幅が狭くなっています。この数値が低い場合(90以下) 赤血球が作られる原材料になり鉄の不足が考えられ貧血の可能性があります。この数値が大きい場合(93以上) 出来上がった赤血球が大きいMCVが基準値にないとどうなるの?

MCVが低い場合は貧血の可能性が高く、症状としては手足の冷えや爪が反り返るスプーンネイルが見られることがあります。またMCVが高い場合も手足の冷えを感じることがあります。MCVが高いと赤血球が大きく手足の毛細血管を通れなくなるため貧血と同様の症状を感じることがあります。実は歯茎の血管は手や足の毛細血管と同様、末端になるため、貧血や赤血球が大きいと血行不良になり歯周病に罹患しやすく、また治癒もし難くなる可能性があります。

MCVが大きすぎるのは何故?

赤血球は成熟の過程で核が抜けます。これを脱核と言います。核がない細胞なので寿命は120日。 核が抜けることで正常な大きさになりますが、うまく核が抜けないと大きな赤血球になってしまいます。 正常な脱核にはビタミンB12と葉酸が必要になり、これらが少ないとMCVは大きくなります。

ビタミンB12、葉酸食品は?

ビタミンB12の多い食品

・レバー、牡蠣、貝類、海苔(鉄も多い食品ですね)

葉酸の多い食品

・枝豆、菜の花、ブロッコリー、ほうれん草

いやいや、どちらもしっかり食べているけど・・

上記の食品などしっかり食べているのにMCVが高い方の多くは 胃腸の調子が悪くビタミン・ミネラルの吸収が落ちている可能性があります。まずは胃腸の改善をしてみて下さい。

MCVが高い人は認知症も要注意

MCVが高いと葉酸が不足している可能性が高いとお話しましたが、葉酸が不足しているとホモシステインが高くなります。ホモシステインはアミノ酸代謝でできる中間産物ですが滞りなく流れないと、溜まってしまい高ホモシステインになります。ホモシステインは認知症、脳梗塞、冠動脈疾患との関連が指摘されています。スイスの研究では血中のホモシステインが15μmol/L以上の人は認知症のリスクが4倍に上がるとの報告もあります MCVが高い人はホモシステインも是非チェックしてみて下さい。

葉酸の摂取量は

厚労省は1日の葉酸推奨摂取量を240μg2017年日本人の平均摂取量は281μgと推奨量を超えています。しかし、日本人はホモシステインを変換する酵素MTHFRの遺伝子変異が多いことがわかっています。 葉酸摂取量を増やしたほうが良いとの研究もあります 。その一つ埼玉県坂戸市が行なった「さかど葉酸プロジェクト」では 1日400μgの葉酸摂取をした結果

ホモシステインの平均濃度が8.4nmol/mlから7nmol/mlまで16%減少したとの報告もあります。

 

まずはご自身のMCVを知り高い場合はホモシステインもチェック、どちらも高ければ食習慣の見直しはもちろん、葉酸食品を多めにとることも、歯周病や認知症予防に寄与すると思います。

 

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