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コラム根管治療

根管治療で腫れがひかない!

なぜ腫れがおこるのか?

神経の無い根の中(根管)に細菌が入り込むと、感染が起こります。
通常、体内で感染がおこると自然免疫が発動しNK細胞、マクロファージ、樹状細胞などで細菌と戦います。

この細胞は血管を通して感染部位に到達しますが、神経の治療がしてある根の中には血管がない為、どんどん感染が進んでいきます。

繁殖した細菌は根の中を出て、根の先(根尖)から外に出ていきます。

根の先には骨や神経、血管があり細菌と戦うために、炎症をおこし、先ほどの免疫担当細胞が攻撃をします。
この攻防が1対1であれば痛み・腫れはほとんど起きませんが、風邪をひいたり、寝不足、暴飲暴食、ストレス過多になったりすると免疫力が落ち、攻撃側の細菌が優勢となり、腫れ痛みが起こります。

さらに加齢による免疫低下も大きな要因になってきます。

 

根の外は身体がなおすことが可能

根管治療中の腫れですが、免疫力があれば細菌は死に、自然と溶けてしまった骨や組織は再生されます。
しかし、歯の中(根管内)には血管がないので、免疫担当細胞は入ってくることはできません。

根の外の細菌が攻撃され、死滅しても、歯の中からは次々と細菌が増殖し送り出され続けます。

 

腫れを収めるためには根の中の治療

上記のように根の中(根管)の細菌を叩かない限り、腫れや痛みの軽減は難しくなります。

細菌数ですが実は根の上、歯茎より上に出ている部分(歯冠部)が全体の70%という研究もあります。
根管治療で以前に詰めたゴム(ガッタパーチャ)やセメントを取り除きますが、いきなり根の先端まで器具を進めてしまうと、

大量の細菌が根の外に出て更なる腫れ、痛みの(フレアアップ)原因になります。

このため、歯冠部の除菌が出来たら、少し下のゴムをとり、また消毒除菌、と確実に除菌が出来てから深いところにアプローチする必要があります。

このゴム(ガッタパーチャ)やセメント自体が感染源になっているため、顕微鏡を使い、明視野で拡大して徹底的に除去することが肝心です。

 

治療中、唾液が入ってはいけない

根の中や、根の外に感染している細菌はどこから来ているかというと、実は口のなかにいる菌が入り込んで感染しています。

治療中、折角綺麗に除菌しても唾液が入り込んでしまうと直ぐに再感染がおこります。

そこでラバーダムというゴムのシートを使い、唾液が治療中の歯に入り込まないようにしっかりシールすることも大事です。
治療中には細菌を殺す薬をつかうので、ラバーダムをすることで、薬の不味い味がしたり、刺激で歯肉や舌がただれたりすることもありません。

余談ですがラバーダムはラテックスという天然ゴムが原材料です。

このラテックスにアレルギーがある方が一定数いらっしゃるので、当クリニックではニトリルという素材のラバーダムとグローブを使用しています。

 

次回治療までの仮蓋も大切

根の治療は1回で完了することが少ないため、次回、続きをすることが多いと思います。

虫歯をとることで治療時にあいた穴をふさぎ、次回の治療まで仮蓋をします。
先程の説明のように根の中の感染はお口の中の細菌が原因です、
次回治療までの間、口の中にいる細菌が入り込んだり、その栄養となる物が入り込むことも痛みが続き、治らない原因になります。

 

漏れの無い仮蓋

このように、仮蓋は唾液が中に入り込まないものが大前提です。
どのような材料を使っても唾液が入り込まなければ良いのですが、従来のゴム(ストッピング)や水硬性セメントでは2-4日でお口の中の細菌が根管内に入り込むとのデータもあります。

セメントや樹脂での仮蓋がベストチョイスになりますが、樹脂の場合は唾液や湿度で接着力が極度に低下する可能性があるので、ここでもラバーダム防湿が必須になります。

 

 

根の治療は細菌感染との戦いです。
細菌をいかに減らして取り除くか、また再感染をいかに防げるかが腫れや痛みをとるために非常に重要です。

当院の歯の根の治療について

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