歯と歯の間の虫歯
歯と歯の間をコンタクトと呼びます。
まさに隣どおしの歯が接触している部分になります。
虫歯がよく出来る場所(齲蝕好発部位:うしょくこうはつぶい)は?
虫歯がよくできやすい場所は下記の3つになります。
- 歯の噛む面の溝(小窩裂孔)
- 歯と歯茎の境目(歯頚部)
- 歯と歯の間(コンタクト)
虫歯の原因は以前のブログ「」にも書きましたが
歯垢プラークが常に残っている場所になります。
デンタルフロスは必須!
虫歯になりにくくするためには普段のケアでデンタルフロスが必須です!
歯と歯の間は物が詰まりやすく、詰まったままになることで虫歯のリスクが高くなります。
出来れば毎食後、最低でも1日1回寝る前にはかならずデンタルフロスでこの間を綺麗に磨くことで虫歯を防ぎましょう。
歯の形で虫歯が出来やすい事も
臼歯部の歯は頬側と舌側にそれぞれ1本ずつ根がある事が多いです。
この形態によりコンタクトの下が凹んでいるとフロスだけでは汚れを落とすことが出来ません。
このような形態がある場所は歯間ブラシなど補助器具を使ってプラークを落とすようにしましょう。
歯科定期検診を行っていただくと、プロフェッショナルである歯科衛生士にリスク部位を教えてもらい、適切な器具でプラーク除去が出来れば新たな虫歯の発生を無くすことが可能になります。
コンタクトのヒビはどうすればいいのか
しかし、ブラッシングやフロス、歯間ブラシをしていても虫歯になることがあります。
歯科用顕微鏡を導入して17年になりますが、コンタクトの虫歯治療をしていると、かなりの高頻度で同部位のエナメル質に“ヒビ”があります。
歯の表面エナメル質にヒビがあるとブラッシングやフロスを毎食後使ったとしてもヒビの隙間のプラークを完全に取り除くことが困難になります。
もちろん、頻繁にフロスをする事で虫歯の抑制効果はありますが、完全に封じ込める事が難しくなります。
就寝時の食いしばりは300kg
サッカーなどコンタクトがあるスポーツなども転んだ時に上下の歯があたり、ヒビの原因になりますが、多くの場合、就寝時の歯ぎしり、食いしばりなどによります。
人は起きている時に思いっきり噛むと男性の奥歯で50-60kgの力がかかっています。
これが就寝時になると、その5〜6倍になり300kgの力が歯に加わりヒビの原因になります。
さらに歯ぎしり食いしばりだけでなく、中にはタッピングするかたもいます。
タッピングは上下の歯を素早くカチカチ、ガチャガチャとかみ合わせる癖です。
ヒビの原因としてはこちらの方が問題だと思いますが、全体の10%程度と言われています。
ナイトガードは対処療法
就寝時の歯ぎしり、食いしばり、タッピングによる歯のヒビを防止するためにナイトガード(=マウスピース)を作り、装着して寝ているかたもいるでしょう。
ナイトガードを毎日欠かさずして寝れば、新たなヒビの発生は抑えられるでしょうが、あくまでも対処療法になります。
ナイトガードを歯ぎしり防止装置と言うかたもいますが、歯ぎしりを防止している訳ではなく、歯ぎしりによる問題を防止しています。
根本原因は夜間低血糖や低位舌によるTCH(歯牙接触癖)が原因であればこちらを改善する事でナイトガードを使わなくても、歯ぎしりや食いしばり、タッピングをせずに質の良い睡眠がとれるようになるでしょう。
結論
歯と歯の間の虫歯を防ぐにはフロスは欠かせません。
また、定期検診でプラークが溜まりやすい部分を教えてもらい、適切に磨けるようになりましょう。
根本原因が見つけ新たなヒビを防ぎましょう。
夜間低血糖や低位舌については改めて詳しくブログでお知らせしたいと思います。