歯がしみる。冷たいものだけでなく、熱いもので痛みがある原因とは
歯がしみる場合は通常、冷たいものでしみる事が多いですが、熱いもので痛みを感じる事はあります。
いつも感じない違和感や痛みがある場合、何か問題が隠れている可能性もあります。
特に冷たいものはしみずに、熱いもので痛みが出る場合は注意が必要です。
まず神経がある場合と、神経がない歯の場合をわけてお話ししましょう 。
神経がある歯がしみる時
通常は冷たいものでしみる
通常、神経がある歯は冷たいものにしみることが多いです。
冷たいものもにもしみるが、だんだんと炎症が強くなると熱いものにもしみる可能性があります。 症状が進んでしまうと冷たいものではあまりしみなくなり、熱いものでかなりの痛みが出る場合があります。
こうなってしまうと、神経をとらなくてはならない事になってしまうので早めの処置が必要になります。
神経は2種類の繊維でできている
神経は束になっており、周囲の繊維がAδ(エーデルタ)、中心を走っているのがC繊維です。
炎症は周りから進むので、初期は周囲のAδから刺激が脳に行き、しみる感じや痛みが伝わります。 このAδ繊維は伝わるスピードが速いので、冷たいものを飲んんだ瞬間に「痛!」と感じが伝わります。 また、刺激がなくなると数秒で痛みが収まるのも特徴です。
炎症が強くなると神経をとる可能性が上がる
虫歯や知覚過敏などが原因でこのような痛みを感じますが、治療をせずに放置すると炎症が強くなり、 中心部のC繊維まで波及していきます。
この神経は先ほどのAδ繊維より伝わる速度が遅いので、冷たいものを含んでも即座に痛みを感じず、 数秒のタイムラグの後、痛みを感じます。また、一度痛みを感じると刺激がなくなっても、暫く痛みを感じている事が多いです。 この状態になると神経を残せる可能性が減ってしまいます。
神経がない歯がしみる時
冷たいもので痛みが和らぐ?
神経がない歯は通常痛みを感じる事はありません。
しかし、神経がない歯なのに熱いものにしみる事があります。
熱いもので痛みが出て、冷たいものを含むと痛みが和らぐと訴えられる患者さんも多いです。
なぜ神経がない歯が痛むのでしょうか?
神経がない歯が熱いものでしみる場合の多くは、根の先に膿が溜まっています。
根の中に感染源があると、根の先から細菌が骨の中に出ていき、周囲の骨を溶かしていきます。 溶けた骨の中で細菌と免疫細胞とのせめぎ合いが起こっています。
膿が溜まっている状態で、熱いものを飲んだり、食べたりすると膿が膨張し、 周囲の骨や神経を圧迫するので違和感や痛みが誘発されます。 放置すると更なる大きな腫れや痛みを感じる可能性があります。
歯茎にニキビのような膨らみができる方は要注意!
ゆっくり根の先の膿が大きくなった場合には、あまり痛みや違和感を感じることもなく、
歯茎から膿の出口(サイナストラクト)が出来ていることもあります。
疲れが溜まった時や寝不足があると歯茎が腫れ、プチッとニキビのように腫れがった後、
潰れると腫れが治る場合などはこの根の先に膿が溜まっている可能性が高いです。
まとめ
処置が遅れると神経を残せなくなる可能性もありますし、最悪抜歯の選択になってしまうことも考えられますので、 神経が有る無しに関わらす、痛みや違和感を感じたら出来るだけ早く歯科クリニックに受診をされる事が重要です。